【雑記・短歌】作風と公募入賞作品


最近、うたの日をこっそり覗いています。たまに投票してみたりもするのですが、「いいな」と思った歌が首席ではなく、2席や3席か、もしくは薔薇が3つくらいだったり。あるいは、全く投票していないものが首席だったりします。なぜだろうと考えてみたところ、作風の好みによるものではないかなと思いました。

まずは、ここ1週間ほどで私が「いいな」と思った作品をいくつか。


何回も気合いをいれるキッチンでいちじくジャムの蓋が開かない(春ひより)

私にも救える世界ならあって洗濯物はきれいに畳む(真島朱火)

渾身のほんだしをいま振り入れてひと煮立ちまでちょっとだけ泣く(小藤 舟)


私が「いいな」と思うのは、どことなく生活感があり、かつ表現が心に染みてくるもの。引用した短歌は、それぞれ「いちじくジャム」「洗濯物」「ほんだし」というアイテムの使い方が絶妙で、日常から詩への転換にも惹かれます。

一方、うたの日で票を集めるのは、言葉や表現のきれいなものが多いように感じました。きらきらしていて、分かりやすい歌が票を集めるけど、私はそこにプラスして、生活感や日常など「実感」のある作品が好きなのかもしれません。(※うたの日の上位の方を非難する意図はありません。大勢に響く短歌を詠むのもすごいことだと思っており、あくまでも私の好みの話です。念のため)

そういえば、私も高校生や大学生のときは瑞々しい短歌を詠んでいましたが、最近は日々の暮らしに基づいたものが主なような。そのときにしか詠めない短歌ってあるんですね、月日の流れってちょっと怖いですね。


話は少し変わって。第23回杉原千畝記念短歌大会にて、奨励賞をいただきました。

https://www.town.yaotsu.lg.jp/item/10263.htm

本名で応募しているため受賞作は引用しませんが、やや生活感のある作風なのが私です。久しぶりに投稿を再開して、久しぶりに入賞したのがこの公募。普段は詠まないようなテーマですが、あれこれ工夫して頑張りました。本音を言えばもう少し上を目指したかったですが……まあ、これからもゆるっと詠んでいきます。