【雑記】昔々あるところに


そういえば、自己紹介のような記事をまだ書いていないことに思い当たりました。「ブログ始めます」的な表明だけして、自分について語っていなかったので、今日は私が短歌を始めたきっかけのお話。……と言っても、実は私の始まりは、短歌ではなく俳句なのですが。

時は遡り、高校1年生の頃。干支がひとまわりはする昔のことです。当時、クラスでとても仲のよかった友達がいました。名前を仮にTちゃんとします。Tちゃんは文芸部に入っていて、9月、部誌の原稿に追われていました。

「何してるの?」と覗いてみると、書いていたのは短歌・俳句・川柳。

すぐ傍を走っていった君探し

という川柳が目に入って、私にはない世界観だなと印象に残ったことを強く覚えています。

それから、Tちゃんに影響されるように短歌や俳句を詠むようになりました。授業中もノートの隅に作品を書き、何か表現できることはないかなと窓の外を見つめ、挙げ句の果てにはノートの隅では足りなくなり、小さな作品メモを筆箱に忍ばせるようになりました。

さて、私の地元は城下町で、小さなお城には俳句の投句箱があります。「ここに投句してみようよ」とTちゃんに誘われました。

それからは創作に大忙しです。「冬の季語って何? 雪の結晶のことを立花っていうの?」とすごい勢いで知識を吸収したり。授業中、今まで以上にぼーっとすることが増えたり。当然、筆箱の中の作品メモは5枚にも6枚にもなって、シャーペンたちを圧迫したり。

やや勉強に支障を来しつつ、なんとか俳句が完成しました。Tちゃんにも「いいと思う」と言われる出来栄えです。

結果は見事入選! しかも、学生の部で5句採用の中の首席。「私にも詠めるんだ。創作で認められるのってすごく嬉しい!」と飛び跳ねたいくらいの気持ちでした。そのときにもらった図書カードは使うのがもったいなくて、今でも財布の中にひっそりと眠っています。

ほぼ同時期に、短歌の個人サイトを巡っていたら、とある素敵な人を見つけたこともありました。「夜はぷちぷちケータイ短歌」に投稿を始め、採用されて電話出演したこともありました。まあ、それはほんの少しだけ後の話。


終わらないものをおしえて寒椿(逢)